2011年12月16日

福島原発事故の収束宣言?!二人の首相の異例発言を思う。





16日午後3時半、野田首相が全世界を驚かせた。

原子力災害対策部で福島第1原子力発電所事故の収束宣言をしたのだ。


「原子炉は、冷温停止状態に達し、不測の事態が発生した場合にも、敷地境界における被ばく線量が、十分低い状態を維持できるようになりました」










海外メディアは一斉に批判した。


「現実を無視した宣言であり、原子炉の安全性への脅威から目をそらせることがねらいだ」(ニューヨークタイムズ)

「原子炉が現在のような状態にある中で冷温停止を宣言するのは、現状に対して正当とは言えない」(CNN)



冷温停止状態とは、原子炉周辺が100度以下になっていること」、「放射性物質の放出が抑えられていること」、「冷却システムについて、いくつもの代替手段を確保できていること」を言う。

野田首相の会見では冷温停止状態と判断した理由として、このうちの二条件を挙げた。
「原子炉圧力容器底部の温度が概ね100度以下になっている」、それから「格納容器からの放射性物質の放出が管理・大幅抑制れている」




私はこの発表を唐突に感じた。しかも冷温停止条件の二つしか満たしていない。
なぜこんなに急いで発表する必要があったのだろうか。

だが、そうではなかった。
12月14日、ニューヨークタイムズはこの近々行われる収束宣言をすっぱ抜き、こう書いている。


多くの専門家が恐れるのは、政府の勝利宣言は事故についての国民の怒りを和らげるためだけのもので、原子炉の安全性を脅かす危険から注意をそらすのではないか、ということである。そんな危険の一つ-3月11日のマグニチュード9の地震の余震で、福島原発の運転者である東電が事故後に応急措置として急いで構築した新しい冷却システムが損傷してしまう -は、可能性が大きいものとして多くの地震学者が指摘する。


12月14日には「原子炉の安全性を脅かす安全宣言」はすでに決定されていたのである。
そして、翌15日、もう一つの驚くべき「異例の発表」があった。







「鳩山元首相「福島原発国有化を」 事故解明に必要と論評」


元首相の鳩山由紀夫氏が15日付の英雑誌ネイチャーで福島第一原発の国有化を訴えたのである。
権威ある科学誌に、首相経験者の論評が掲載され、表紙を飾るのは「極めて異例」(ネイチャー・ジャパン)なことだそうだ。



同誌は、表紙に日の丸を背景にした黒塗りの「事故時運転操作手順書」を採用した。同手順書は東電が衆院特別委員会に提出して批判を浴びた。
鳩山氏らは論評で、事故の全容解明は「日本と世界の原子力の未来にとって極めて重要」と主張。国や東電が発表した放射性物質のデータを検討した上で、核爆発など「最悪のシナリオ」を否定するには証拠が不十分とした。事故分析する科学者支援の組織設置も提案している。



原発事故の解明のために国有化を、と言う話だけではない。未来の最悪のシナリオを否定できないとして、(専門家による)組織設置も提案しているのだ。


元首相が「福島第一原発はいまだ危険である。国有化して、監視機関を設けよ」と訴えている。そうは言っていないかもしれないが、そういう意味だと私は記事から読み取った。
まるでここ最近の日本企業が喘いでいるコンプライアンスとやらを求められているようだ。
そして、現在の日本の首相は殆ど同日にこう宣言した。
「原発事故は収束した」
いまだ放射能漏れは否定できないが、冷温停止しているので大きな事故の危険性はないと。


これはどういうことか。





・・・


先日のことだ。私は瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)の夢を見た。

福島の稲を持って、瓊瓊杵尊がこの国に降臨する夢であった。

日本は瑞穂の国だ。みずみずしい稲穂の生る国。美しい「豊葦原千五百秋瑞穂国」(とよあしはらの ちいおあきのみずほのくに)である。
なのに、福島の米から放射性物質が検出され、国民は不安に陥っている。瑞穂の国を象徴する稲穂たちは新嘗祭で祈りを受けることもできなかった。
私は新米を美味しい思いでいまだ食べられない。

福島第一原発事故は、日本の根幹を揺るがす問題なのだ。


「福島の再生なくして、日本の再生はない」


野田首相の言葉の通りなのである。


何よりも最優先で取り組まなければいけない課題は、原発事故の一日も早い収束です。福島原発の炉の安定を確実に実現していくということ、原発周辺地域における放射性物質の除染が大きな課題です。特に、妊婦そして子どもの安心を確保するために全力を尽くしていきたいと考えています。福島の再生なくして日本の再生はございません。この再生を通じて日本を元気にするとともに、国際社会における信頼を図るという意味からも、全力で取り組んでいきたいと考えております。
2011年12月16日 官邸かわら版総理の語録より



元首相と今の首相との180度違う言葉をどう判断していいか迷った時に、私が受け取ったのは、「福島の再生なくして、日本の再生はない」と言う野田首相の言葉であった。


所詮「綺麗ごと」だと思っていた。
しかし、9月に発したこの言葉を、今日、この日に、官邸のHPに掲載する意味を問うた時に、やはりただの偶然とは思えない。

野田首相は、突然の発表で、福島を、そして日本を護ったのではないか。


もしも福島第一原発が、海外メディアやネイチャー誌が言うように、予断を許さず危険なものであるならば、東電は誰かに管理されなければならない。国によって国有化され、もしくは国の手の及ばない専門家による「組織」によって。東電は消滅し、彼らに未来の原子力事故の可能性すべてを委ねることになる。

今、突然の「収束宣言」により、各国から笑いものになっているという野田首相が、日本を護ったとは言えないだろうか。


もしも、私と同じように、首を傾げるならば。
最後に、昨夜公開された首相の日記を読んで頂きたい。


まずは隗より始めなければ (内閣広報室)

「先ず隗より始めよ」。中国の古事成語だ。まずは身近なことから始めよ、まずは言い出した者から始めよ、と言う意味として使われているが、こんな意味にも受け取れる。

「まずは私を信じてください」



王がもし、優れた人物を招聘したいとお望みであれば、まず、この私、郭隗よりお始め下さい。
(先づ隗より始めよ)

私のような者でも取り立てられるとすれば、私より優れた人物はなおさらだと思うでしょう。
きっと、千里の道を厭わずにやって来るに違いありません。 (出典・戦国策)






引用元&関連記事

原子力災害対策本部、福島第1原発原子炉が「冷温停止状態」になったと発表
福島第一原発の冷温停止宣言、「安全になったわけではない」と米専門家
海外メディア 冷温停止を疑問視
ニューヨークタイムズ紙:「冷温停止宣言の裏の疑問」
鳩山元首相、原発国有化論をネイチャーに発表
隗より始めよ(かいよりはじめよ)




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