2012年1月28日

NTTドコモの戦い ~ガラパゴスという楽園を捨てたその先にあるもの~






トラブル続きのNTTドコモが今度は東北で通信障害を起こした。



27日午後9時8分ごろから、FOMAの通話やメールがつながりにくくなったり、

圏外になったという。

トラブルは宮城県と福島県の広い範囲と岩手県と山形県の一部の地域にわたり、

45分後の午後9時53分に、自然に回復した。


この報道で、先日NTTドコモを行政指導した総務省の川端大臣が

「今一度気を引き締めてしっかり対応してほしい」

「二度とこういうことのないように対応してほしい」

と注意を促す様が映し出されて、「その矢先のトラブルだった」こと

ドコモのトラブルの大きさが改めて強調された。











私事だが、今年に入ってスマートフォンに変えた。

同時に15年近く使っていたdocomoを解約。この機会にとauに乗り換えた。

理由は昨年末にNTTドコモが全額出資して韓国サムスン電子らと

新たな合弁企業を設立すると発表したからだ。


通話料が多少高額でも変わらぬ愛着を持って使い続けていたのは

NTTドコモが電電公社から続く日本を代表する電気通信事業者であり

愛国心と自負心からの選択であったと言える。

だが、サムスンとの合弁企業報道が想いを打ち砕いた。

幻想だと認めざるを得なかった。

もっと安くて、質の良いサービスを提供する事業者があるではないか。






しかし、途端の通信障害である。

そもそもNTTドコモがなぜサムスンと組まなければならなかったのか。

なぜドコモだけがスマートフォンの契約急増に対応しきれなかったのか。



私は幻想を捨てて、消費者であることを優先した自分を反省した。

NTTドコモが叩かれている時、傍にいれないことに対して、

後悔を感じ始めたのであった。









「ドコモ通信障害の真相」という日経の記事では(下にリンクあり)

「NTTドコモは不運だった」と言う。

現時点で、ドコモはスマホ戦略をAndroidに頼らずを得ない。

そしてAndroidはiphoneとは比べると、ネットワークに与える負荷が大きい。

通信量には自信のあったドコモも、VoIP、チャット等のアプリが

急激に普及する事態は予測が利かなかった。






「BeeTV」などの動画配信に積極的なことを見てもわかるように、NTTドコモはネットワーク容量には絶対的な自信を持っており、ウェブ閲覧や動画再生などは予想の範囲内だった。しかしコミュニケーション系アプリが、テレビCMの効果もあってユーザーを急増させていた点をドコモは見抜けなかった。

(ドコモの通信障害の真相、背景にスマホ依存のジレンマより)



 ドコモが会見で挙げた障害理由、「スマホの無料通話アプリの制御信号の集中」で

やり玉に挙がった形の「LINE」は反論を公開した。

「iPhoneユーザーのほうが現時点での国内は多い。iphoneを対象としていない

ドコモさんのバックボーンからトラブルを起こすとは考えにくいでしょ。」

(NHN Japan執行役員・舛田淳氏)





確かに今回はそうだったとしても、ドコモが「見抜けない」アプリは

マーケットを通してこれからも氾濫するに違いない。

日本の電気通信事業者、「ドコモさん」 のバックボーンは

ますます薄弱になることだろう。






iモードが全盛だった時代は、ネットワークの容量、端末のスペック、サービス内容をすべて携帯電話会社がコントロールして仕様を決めていた。
しかしスマホでは、プラットフォームは米グーグルや米アップルが決め、様々な開発者がアプリを作り、マーケットを使って配布する。携帯電話会社に口を挟む余地はなく、ネットワークインフラだけが使われていく。

(ドコモの通信障害の真相、背景にスマホ依存のジレンマより)






急激なスマートフォンの普及で通信の増強と質向上が求められるさなか、

行政はすべて事業者任せである。

総務省は、通信混雑対策としてプラチナバンドと呼ばれる周波数を

割り当てるための公募を行った。

だが、それも今回のNTTドコモの設備増強に役立つのかは不透明だ。

通信状態改善のための莫大な投資は

すべて事業者が負わなければならない。









しかしスマホへのシフトはもう止められないところまできており、携帯電話会社は多様なスマホアプリからの利用を前提としたネットワーク構築に突き進むしかない。岩崎取締役は「スマホはアプリが自由に使えるのが魅力。ドコモがそこを規制する考えはない」と語る。スマホのオープン環境に携帯電話会社がどう立ち向かうか。難しい舵取りを迫られている。

(ドコモの通信障害の真相、背景にスマホ依存のジレンマより)




NTTドコモは27日、4-12月期の連結決算を明らかにした。

販促費用の増加が響き、営業収益が1.1%減、営業利益も1.9%減としている。



同日山田隆持社長は、27日、都内で記者会見。

25日の都市部の大規模なネットワーク障害を受けて謝罪をし、

通信環境を改善するための設備投資を増額、


2014年末までに総額1640億円とする方針を発表した。



スマートフォンの契約数は15年末までに4000万台に伸ばす。

山田社長はこの計画を変えないことを強調した。

好調の高速通信サービス「Xi(クロッシィ)」対応のスマートフォンも

年間200万を目指して、割引キャンペーンを展開していく構えだ。







ガラパゴススのままであったなら、NTTドコモは試練にあうこともなかっただろう。

しかし、その先へ行くために、

あくまでも突き進む覚悟を決めたドコモに敬意を表したいと思う。



あとは依存と言われないために、

市場原理の価格戦争にこれ以上消耗されない

消費者をより満足させる社会的な付加価値を見出してほしいと心から願う。



電気、通信と国防に欠かせないインフラ事業の日本企業が

相次いで力を落としている。

現代では、戦っているのは企業だけだ。

ドコモの報道を聞いたときに、

太平洋戦争末期の南太平洋開戦でまた一つ

島が占領され、味方が玉砕したと聞かされたような

もの哀しい思いがしたことを、最後に挙げておきたいと思う。








ドコモの通信障害の真相、背景にスマホ依存のジレンマ
NTTドコモ:通信障害 スマホ急増でパンク 交換機更新し、処理量劣化
ドコモの4-12月決算は営業減益1.9%減 「Xi」は健闘
ドコモ、一連の障害対策に2014年度までに1640億円を投資
プラチナバンド:900メガヘルツ帯、4社が応募



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