2012年2月19日

「雇用がピンチ!どうなる製造業」 製造業の八重苦と打開策とは?






  九州経済白書12年版「国内製造業の最後の砦になる可能性」

  九州経済調査協会は17日、2012年版九州経済白書を発表した。「円高と九州経済」と題し、円高や電力不安などいわゆる「六重苦」にさらされる製造業について分析。九州に進出した製造業は「アジアとの近さ」や「人件費や物価の安さ」を評価しており、自動車などの生産拠点集積が進んだ九州は国内製造業の「最後の砦(とりで)」になる可能性があるとした。

  白書をまとめるにあたり、九経調は九州・山口・沖縄の製造業を対象に11年9~12月にアンケート調査、約200社が回答した。回答企業の想定為替レートの平均は1ドル=81.8円。円高の影響(複数回答)は「取引先からの値下げ要請」を挙げた企業が28.5%と最多で、「取引先からの受注減少」(22.0%)、「輸出採算の悪化」(21.0%)と続いた。

  ただ、九経調は「九州の製造業は厳しい環境のなかでも一定の力強さがある」と説明。背景として国内での立地条件の良さと、比較的新しい工場の集積を挙げている。

  九州に進出した企業に対し、九州の事業環境が優れている点を聞いた結果では「アジアとの近接性」を挙げた企業が50.0%を占めた。以下「人件費の安さ」(47.5%)、「物価の安さ」(43.8%)の順。

  こうした優位性を背景に、自動車産業では2000年代に入りダイハツ九州(大分県中津市)や日産車体九州(福岡県苅田町)といった新工場が相次ぎ立ち上がった。足元では調達や研究開発機能の一部を移管しようとする動きも出ており、九経調は「九州の工場の機能高度化に結びつく動き」と評価している。

  一方、半導体や電機関連では東芝北九州工場(北九州市)、パナソニックデバイスオプティカルセミコンダクター(鹿児島県日置市)などの工場閉鎖が明らかになっている。ただ、九経調はソニーセミコンダクタ(福岡市)や富士フイルム九州(熊本県菊陽町)の増産投資の例を挙げ、高付加価値品の生産や国内のリスク分散、アジアとの距離の近さから九州が選ばれているとした。

  白書は沖縄への製造業進出の状況についても触れている。従来、製造業は少なかったが、最近は金型や半導体製造装置向け部品のメーカーが進出。全日本空輸が那覇空港に国際物流基地「沖縄貨物ハブ」を置いていることに加え、電力供給の不安が無いことが理由としている。

 ■中小製造業、海外進出の壁高く

  大手製造業の集積を背景に「九州の製造業に一定の力強さがある」とした12年版九州経済白書。しかし、歴史的な円高など中小製造業が直面する現実は厳しい。資金や人材などの面で単独での海外進出が難しい企業にとって「厳しい環境を乗り切るには、企業ネットワークがカギになる」と九経調はみている。

  企業の円高対策について聞いたアンケートで、「海外事業所での生産比率上昇」は11.3%、「生産機能の新たな海外移転」は6.9%。詳しく見ると、九州に本社を置く企業の回答割合がそれぞれ7.6%、3.4%だったのに対し、九州外の企業は17.6%と12.2%だった。

  九州に本社を置く回答企業の大半は中小企業といい、アンケート結果は地場の中小企業が海外に出たくても出られない状況を映し出している。今年中にも海外に工場を移転する計画を持つ福岡県内の機械メーカー社長は「10年かけて人材を育て、現地でのネットワークもつくってきたから進出できる」と話す。

  熊本県では地場の中小企業が共同受注グループをつくり、取引先の拡大などにつなげている。九経調は「円高で(分野によっては)何度か産業空洞化は起こっている。現在の構造を変えれば、生き残りの道はある」と提言している。

  (日本経済新聞 2012/2/18 2:55 )






「雇用がピンチ!どうなる製造業」

2月18日のNHKの「ニュース深読み」という番組の特集タイトルです。

遡ること2週間、マスコミは製造業の決算赤字を一斉に報道しました。



パナソニックとソニー、シャープ3社が発表した2012年3月期の業績予想では、税引き後赤字の合計が1兆2900億円に達する。リーマン・ショック後の09年3月期(6036億円の赤字)の2倍規模になりそうだ。
【ものづくり大国に危機…製造業、決算総崩れ(読売)より】




創業94年、グループ従業員35万人のパナソニックは、創業以来最大の、

赤字 7800億円。




液晶テレビで世界に名をとどろかせたシャープは、過去最大の、

赤字 2900億円。


「売れば売るほど赤字になりますから」 (片山幹雄社長)



メイドインジャパンの象徴だったソニーは、ついに社長交代。

赤字 2200億円。



「非常に厳しい危機感を持っております」 (平井一夫社長)




深読みのスタッフが全国47都道府県に問い合わせたところ、70工場が閉鎖。

21工場が事業縮小になったと言うことがわかりました。



理由は、従来の「製造業の6重苦」に加えて、タイ洪水による製造工場被害、

加えて、部品製造ラインの減産、加えて、欧州危機。


並べて見ましょう。ずいぶんと重なったものですね?


① 歴史的円高
② 高い法人税
③ 自由貿易協定(FTA及びTPP)への対応の遅れ=韓国メーカーの台頭
④ 製造業への派遣禁止などの労働規制
⑤ 温室効果ガスの原因とされるCO2の25%削減
⑥ 東日本大震災後の電力不足(計画停電)
⑦ タイ洪水被害
⑧ 欧州危機



この他の要因として、

日本企業が、「時代が求める魅力的な商品を供給できなかった」

と言うことが挙げられています。



 番組では、打開策を三人の専門家が考え、三つの案を出しました。

まずは、ひとつめはアップル社のような

「スマイルカーブ」という現象を起こす方法(戦略)を活用すること。

これは、商品・企画やマーケティング、研究開発(川上領域)と

保守・アフターサービス(川下領域)での収益性を上げて、

製造時の赤字を補てんするという方法です。

(収益を表にすると川上と川下が上がり、真中の製造過程が落ちる、

それが笑顔の口元に見えることから、スマイルカーブと呼ばれています)

アップル社のスティーブ・ジョブズがデザイン(付加価値)にこだわり、

iTunesのようなシステムをフル活用して、顧客に様々なサービスを提供した、

それがソニーとアップル社の決定的な差であり、

アップル社の成功の秘訣だったということです。








ふたつ目の方法は、省エネ家電やエコカーをみんなで買うことで内需を高め、

使用電力を抑えて原油やLGPガスの輸入を減らし、貿易赤字を解消すること。

これなら、私たちも力になれそうですね!


三つ目に、単品主義から脱出。テレビなど家電をもっと魅力的にして

付加価値を上げていくこと、企業同士の連携を行なっていくこと。





冒頭のニュース最後の砦としての九州の誘致は、

この企業同士の連携を行うのにとても良い案だと思います。


「厳しい環境を乗り切るには、企業ネットワークがカギになる」と九経調はみている。


電力供給の不安がないのもいいですね!

生産拠点が海外に流出するのは否めないとしても、

スマイルカーブの川上、川下領域の企画・開発と保守・サービスの拠点は

日本に残して、知的所有権の保護を徹底していただきたいと思います。



それにしても、これだけ日本がどん底のときに、

消費税等の増税に、TPP参加はどうなんでしょうね。

デフレがますます加速化し、海外から安い労働力が流入することから

失業率が増加します。


パナソニックとソニー、シャープ3社だけで税引き後赤字は1兆2900億円。

全国47都道府県の70工場が閉鎖。21工場が事業縮小。


「雇用がピンチ!どうなる製造業」ですよ?


おまけに東京電力は7月から

電気料金を17%値上げすると発表しました。




日本自動車工業会の志賀俊之会長は16日の記者会見で、東京電力が4月から大口電気料金を平均17%値上げする方針について、「円高の下、懸命にコスト削減に努力しているものづくり産業に影響は大きい」と反発した。
【東電値上げ、自工会長「ものづくりに影響大」(読売)より】



製造企業の営業利益率はせいぜい4~5%くらいでしょう。

17%も電気代が値上がりしたら、ひとたまりもなく潰れます。



政府は1兆5千億円の公的資金を注入して東電を救い、

更に税金からまた1兆を追加注入して、東電を「実質国有化」する方針を

打ち出しました。



なのに、その経営権を得るはずの政府が、

電気料金の値上げを止められない。「実質許可」を与えている。


そして実質国有化の東電が、風前の灯のメイド・イン・ジャパンに追い打ちをかけて、

ものづくりの伝統を叩き壊そうとしています。



増税、TPP、東電国有化、どれをとっても、政府の方針は裏目に出ています。

日銀に圧力をかけて、日銀の資産買入れ基金を10兆円増額させたこともそうです。



企業の設備投資が冷え込んでいる状況の中で銀行は危険な中小企業にリスクをとってまで貸しませんし、優良な企業はこの不況の中借入には慎重です。ということは日銀が10兆円増額しても大した効果があるとも思えません。
【日銀の役割とは?(中韓を知りすぎた男)より】
※面白い記事でしたのでぜひご覧ください。




なぜ政策のプロである彼らが、こんなに方向を間違えるのでしょう。

もっと日本の製造業と雇用を守ることに必死になっていただきたい。



一句作ってみました。

「国盗りと、子孫絶滅の危機に、無策の政府」

字余り。笑





「国内産業最後の砦」は、

僅かに光を感じられたニュースでした。

可能性でもいい、ぜひ期待しています!






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