2013年7月28日

国土を守るために ~「TPPが民主主義を破壊する」を読み終えて~





山口と島根「経験ない大雨」 気象庁、最大級の警戒

(日本経済新聞web刊速報 2013/7/28 11:34 (2013/7/28 18:42更新) )

 中国地方で大気の状態が非常に不安定になり、28日未明から局地的に猛烈な雨が降った。気象庁は、山口と島根両県は「これまでに経験したことのないような大雨となっている所がある」と発表し、最大級の警戒を呼び掛けた。重大な災害の危険性が高まった場合に8月30日から発表を始める「特別警報」に相当すると説明した。

 両県の消防や警察などによると、山口県阿武町で裏山が崩れて住宅が倒壊、住人の女性の行方が分からなくなった。山口市内でも住宅が倒壊し、1人と連絡が取れなくなったとの情報がある。島根県津和野町では川の氾濫で住宅が流されたほか、山間部の住民15人が土砂崩れで孤立した。

両県は自衛隊に災害派遣を要請し、陸自が部隊を派遣。津和野町と山口県萩市は、一部世帯に避難勧告を出した。

 気象庁によると、萩市で1時間に138.5ミリ、津和野町で91.5ミリの猛烈な雨を観測、それぞれの地点の観測史上最多となった。気象レーダーの解析でも、両県の所々で1時間に100ミリ以上の雨が降ったとみられ「記録的短時間大雨情報」をたびたび発表した。

 上空に寒気を伴う気圧の谷が日本付近に停滞。暖かく湿った空気が太平洋高気圧の縁を回るようにして中国地方に流れ込み続け、同じ場所で積乱雲の発達が続いた。

 29日昼までの24時間予想雨量は、両県の多い所で200ミリ。〔共同〕




 今度は山口と島根が攻撃されている。

 私はこの近年甚だしい異常気象は、人為的なものであるとずっと考えているのである。

 なぜならば、もしそれがなければ、

 いくら民主党政権が外交や政権運営に疎かったからといっても、

 ここまで日本が国力を落とすことはなかっただろうし、

 また、あれほど優秀な政治家と官僚たちを持つこの国が、

 国を売り渡すようなTPP参加せざるを得ない方向へ道を進めていくこともなかっただろう

 と思われるのである。


 日本がTPP(交渉)参加を決めるまでに、苦しめられた自然災害がいくつあったか、

 思い出せるだろうか。

 
 2010年末~2011年2月、平成23年豪雪。

 2011年3月の東日本大震災(それに伴う福島第一原発事故)。

 2011年8月9月、紀伊半島大水害。
 
 2011年10月、タイ洪水(それに伴う日系企業の工場が操業停止)。

 2011年末~2012年3月年、平成24年豪雪。

 2012年7月、九州北部豪雨。

 2012年末~2013年2月、平成24年豪雪。


 これらの自然災害の報道には、必ずこんな言葉が付記された。

 今日のニュースと同じように、

 「経験ない」、「記録的な」、「史上稀な」、「こんなことは初めて・・」

 莫大な農業被害に、土砂崩れ等による共同体の消滅、この先ずっと続く原発事故の汚染、

 「TPP」という単語は、そのかつてない災害に日本が苦しめられ続けた時期と

 寸分の狂いもなしに重なって、この国に現れ、浸透していったのである。
 

 






 「TPPが民主主義を破壊する」という本を読了した。

 TPPが酷いものだと知り尽くしていたはずの私でも、この本を読んだあと、

 改めて背筋が凍る思いがした。


 TPPというのはそもそも、日本もアメリカも関係のないところで起こったものである。

 2005年にチリ、シンガポール、ニュージーランド、ブルネイの4カ国で調印された。

 ところが、著者はこの2005年時点のTPP原協定の協定文に、
 
 すでにアメリカ(・・というより黒幕の)影が見えると言うのである。

 まず、とても英語を母国語としないチリやブルネイの人たちが書いた文章とは思えない、

 アメリカの法律家たちがよく書くような整った文章であること、

 それに加えて、原協定の内容が非常に巧みに、狡猾に、

 (後々のことを考えるかのようによく練られて)作られているという。

 著者は原協定の誤訳を挙げて、(現在の和訳はTPP推進派によるもの)

 本当の意味はこうだ、と説明する。

 
 例えば第11章の政府調達。BOT契約及び公共事業契約は建設業に関わる話ではなく、
 
 政府が関係する事業のすべてを対象としているのだということ。

 (条文に関わる官省は、国防省、復興省、教育省、労働省、通信省、保険省等、

 27も列挙されている。これらの省の事業はすべて対象だということである)


 それから第9条の競争政策。「反競争的な商活動を禁止する競争法令を採用又は維持する」

 は、自由競争に反する商活動であっても、今ある法律がTPPに沿っていれば

 そのまま放っておく(維持する)、というわけではなくて、元の英語の「maintain」から、

 維持ではなく、「メンテナンス」するのだということ。

 つまり、日本のすべての商活動に、反競争的な商活動を禁止する競争法令が

 あるかどうかちゃんと点検をして、もしなかった場合、新たに採用する、

 もしくはまずい法令を修正(メンテナンス)するという条文であるという。


 また11章21条にはこんな条約があることも教えてくれた。

 「政府調達における電子的通信手段の利用の奨励」、すべての政府調達はインターネット

 かそれに準ずる手段によって、外国から公開入札ができるようにならないといけない、

 ということ。

 さらに、別項目には域内での労働者のピザなし就労を認めよ、という項目がある。


 9条と11条等を組み合わせると、日本政府が関わるあらゆる事業は、インターネットから、

 自由かつ公平に、巨大金融資本を背景に持つ外資多国籍企業に競争入札できるように

 ならないといけない。もしそれができなければ、(日本企業が落札していたら)

 反競争的な商活動を禁じる法令を「メンテナンス」される。

 ということは、こういうことも当然ありうるということだ。日本の公共事業、医療事業、

 郵政事業、警察、防衛関連事業、地方次自体の公共サービス等を、

 国際巨大資本が元請けし、チリ、ブルネイ、マレーシア、ベトナム等の労働者が就労する。

 日本はお金を出すだけである。


 自分は(民間企業だから)TPPは関係ない、と思っている人がいたら、

 とんでもない間違いだということに気づくことだろう。

 あらゆる事業のすべてに、巨大外資が参入してくると考えたほうがいい。

 そして、日本という国は、日本の企業と日本の労働者を、他国のそれらと区別することを

 許されなくなる。


 儲かるのは巨大金融資本と巨大外資だけである。

 どこかに国の金を使って、どこかの国の安い労働力を搾取して、

 肥大化を加速させようとしているのである。

 
 
 しかも、TPPは秘密条約なのである。

 日本企業や日本国民に密接に関係する条約の交渉内容が、

 公開されずに秘密裏に進められているのである。

 私たちの代理の国会議員でさえ、TPP交渉文書は入手できない。

 最悪の場合、(上にあげたTPP原文のように、誰かがリークしなかった場合)

 国会で批准する時でさえ、中身がわかならいままかもしれない。

 
 これが恐ろしくなくて、なんだろう。

 この国の、国民も、国会議員も、内容のわかない条約が、粛々と進められている。

 知らない誰かが私たちの生活を根底から覆そうとしている。

 これは民主主義ではない。対極をなすものである。 

 著者はこれを、「世界征服」だと訴える。民主主義を破壊するシナリオが、

 原協定の中から既にあったのだと。(黒幕はアメリカではなく、巨大資本である)



『TPPが民主主義を破壊する!』書籍版525円、Amazon予約受付開始 電子版も販売中ー山田正彦元農水大臣との合同記者会見で発表した新刊



 話はこれだけでは終わらない。

 近々同じ著者によるもっと詳しいTPP解説本が出るそうなので、そちらも是非読んでみたい。

 できれば、ひとりでも多くの方にTPPの悲惨さを知ってほしいと願う。

 私たちが声を上げれば、今ならまだ間に合うのだから。

 最終的に国土を守るために、どうか切にと願う。