2014年1月5日

中国戦士に青天の霹靂、の「安倍参拝問題」



 2013年12月26日、日毎経済新聞を握り締め、ひとりの男が声を上げた。
 「安倍の野郎、やりやがったな!」

 「どうしました?!落沼部長」あまりの形相に部下が駆けつける。
 落沼と部下の朝田は上海の食品加工の工場にいた。これから明日の上海のデパートでの試食会に向けて、最後の詰めの打ち合わせをする予定だった。

 「靖国に参拝したんだよ! 年末に爆弾落としやがった。政治的パフォーマンスなんていらねぇんだよ。中国でビジネスしているこっちは必死なんだ。これで〇〇北海道コロッケの出店は白紙かもしれないな。長い時間をかけて、やっとのことで築き上げたこっちの信頼も台無しだ!」

 朝田はメーカーの従業員に聞こえないよう、上司を工場の隅に連れて行き、
 「でも、意外とこれですべてがうまくいくかもしれませんよ」

 落沼は50代、弱小零細企業の海外事業部の部長である。最近売上が思うように伸びないストレスで、めっきり頭が禿げ上がってきた。対する部下の朝田は20代、暇さえあればアイフォンでゲームをしている若造である。こんな奴に何がわかる、と落沼は部下を睨みつけた。

 「外交上の駆け引きもわからんでもないがな。中国と喧嘩していいことなんかひとつもない。当たり前じゃないか。俺たちの商売はどうなるんだ」

 「そう目先の数字にこだわってはいけませんよ。部長はそもそも何で上海にいるんですか」
 
 「それが仕事だからだよ。こっちの市場は今やアメリカを凌駕する勢いだしなぁ。日本ではもうモノが売れないんだよ。少子化で市場が縮小した。あと、今や日本の生産拠点もほとんどこっちにあるし。日本の人件費は高いからコストがかかる。あとは法人税が高いってのもあるな。あと日本は電気代も馬鹿にならないな。CO2の削減目標もめちゃくちゃ高いしな」

 「つまり、日本の企業が生産拠点を中国に移して、雇用は中国人、税金は中国に払っているってことですよね。そうすると、ますます日本の雇用は失われ、税収入は失われ、日本は儲かりませんね。幸いうちの会社の拠点はまだ日本ですが、僕なんて給料が安いから、今の彼女と結婚を考えられません。たとえ結婚しても、子供を育てられるかどうか。産んでも一人がやっとです」

 「そりゃかわいそうにな。って、いや、給料のことは常務に言ってくれよ」

 「日本の工場の生産拠点が日本にあればいいですよね。日本の雇用が増えますね。そうすると僕らの生活が豊かになって、正規雇用が増えるから、子供も2,3人産めそうですね。日本の市場が以前みたいに大きくなれば、内需でも十分売上は取れますね。僕らは上海に来なくても日本で商売ができる」

 「無理だな、今の状態だとどのメーカーも海外に出ないとどうしようもない。どこも生き残りをかけて必死さ。経済がグローバル化したんだ。以前のようにはいかないさ」

 「今の状態だとそうですね」

 「だから靖国神社参拝なんかして中国と摩擦を起こしてもはた迷惑なだけだって話だ。以上!」

 「んじゃ落沼部長、僕らは一体いつ豊かになるんですか? このまま上海でコロッケ売ってれば、いつかは日本の経済も持ち直します? このままだと政府からの補助金も怪しくなりそうですよ」

 落沼部長は朝田の真剣な顔を見て、ここで初めて唸った。
 「お前、そんなに嫁さんが欲しいのか・・」

 「僕は結婚したいんです。日本で暮らしたいです。僕はガンになりたくありません。PM2.5やPM0.5のない、澄んだ野山の空気を思いっきり吸いたいです」

 「お前の実家はどこだっけ?」

 「岩手です」

 「俺は福島だ。そういえば家に帰りたいなぁ。ヨメ、元気かなぁ」
 


 さて、落沼部長はヨメと子供といつになったらずっと一緒に住めるのでしょうか。落沼部長の健康は保証されているのでしょうか。また、朝田君はいつになったら結婚できるでしょうか。

 靖国参拝問題で今がっかりされている中国ビジネスマンの皆さんには大変申し訳ありませんが、もう少し忍耐をいただけると助かります。中国との不安定な状態を正すのは今がチャンスです。

 日本がこんなに弱体化してしまったのは、摩擦を恐れ、目先の利益だけを追求して、問題の根本を正そうとしなかった、その努力を怠った、ということが挙げられるかもしれません。ぜひ中国から無事に生きて帰ってきていただきたいので、今は政治の力をぜひ信じていただきたいと願います。

 また、今は日本の売上を伸ばすよりも、中国の青空を取り戻す方が先決、ということもありますね。日本が強くなり内需を取り戻せば、中国の市場にそこまで頼る必要はなくなります。結果中国の環境は良くなります。グローバル化もいいですが、もう少し地球規模で靖国問題を見ていただけると幸いです。




東京はこんなに青空ですよ~




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