2014年2月13日

どうなる? フルMOX原発の行方 ~函館市が全国初の差止め訴訟!~



 北海道函館市が国とJパワー(電源開発)を訴えるそうだ。
 自治体が原告となる原発差止め訴訟は史上初。


http://digital.asahi.com/articles/ASG2B7HTTG2BIIPE140.html
函館市の一部は大間市から30km圏内 日が暮れると大間町からは津軽海峡の向こうに函館の夜景が見える(クリックで記事元へ)


 これはすごい。まさかここで函館市が出てくるとは。まさかヒーローよろしく大間原発を止めてくれるとは思わなかった。なんというかっこよさ。

 しかし、よく考えたらそりゃそうだ。函館市民からしたら、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜた燃料(MOX燃料)を100%使う世界初の「フルMOX原発」が、防災対策の重点区域(UPZ=30キロ圏)内にあるなんて真っ平御免だろう。

 ちなみに、原発差止め訴訟を個人でした際、敗ける理由は、大きく言うと次の3つだそうだ。
 1.裁判官が原発の安全神話を信じている。原告団の市民や弁護士は「オオカミ少年」だと思っている。
 2.裁判官に権力への擦り寄り志向がある。(原子力政策=権力政策)
 3.原子力ムラは、日本経済の半分以上を占めかねない巨大利権構造である。その巨大な怪物と対峙するということは、そこで働いている莫大な数の人々と対峙するということになる。なので、敵意と憎悪のオーラがハンパじゃない。圧倒的に不利な状況下での裁判となる。


 脱原発弁護団全国連絡会代表河合弘之弁護士のインタビューより「原発差止め訴訟を20連敗し続けた理由」


 なるほど。それはしんどそうである。永遠に勝てる気がしない。この負け理由を教えてくれた河合弁護士は、原発差止め訴訟20連敗だそうだが、さて、史上初の自治体原告となる函館市はどうなるだろうか。

 まず、決して、オオカミ少年ではないと思う。(福島原発事故があったのだから)
 次に、裁判官の権力志向、これは安倍政権が原発推進だからやはりあるだろうなぁ。
 最後の原子力ムラとの対峙。函館市だけでは莫大な敵意と憎悪にコロリとやられそうだ。
 やはり、2と3は厳しいなぁ。北海道も味方してくれないものだろうか。それから魚影が消えたというのはもう過去の話で、今はすっかりまたマグロ漁で活気付いている大間町の市民もぜひ。





対岸の青森・大間原発建設、函館市が差し止め提訴へ
(朝日デジタル 2014年2月12日07時59分)


函館市の一部は大間原発の30km圏に入る


 北海道函館市が、青森県大間町で大間原発を建設中のJパワー(電源開発)と国を相手取り、同原発の建設差し止めを求める訴訟を3月にも東京地裁に起こす。工藤寿樹市長が12日に正式発表する予定だ。自治体が原告になる原発差し止め訴訟は全国初になる。

 函館市は津軽海峡をはさんで大間原発の対岸に位置する。最も近い所で原発から約23キロで、原発事故に備えた避難の準備などが必要な防災対策の重点区域(UPZ=30キロ圏)に市域の一部が含まれる

 東京電力福島第一原発事故では、福島県浪江町が全町民の避難を迫られるなど、30キロ圏の自治体にも放射性物質による大きな被害が及んだ。函館市は訴状案で、事故が起きれば函館市も壊滅的被害を受ける危険性があると主張する。

 そのうえで、個人が生命・身体の安全を保障される人格権を持つのと同様、自治体も崩壊を防ぐ権利があるとして、Jパワーに建設差し止めを求める。

 また、原発事故前の基準に基づいて国が大間原発の原子炉設置許可を出したことを理由に国の許可の違法性を主張。原発建設の同意手続きの対象が原発の立地自治体と都道府県に限られている点についても「30キロ圏の自治体を含めるべきだ」と国に求める。

 市は2月末に開会する定例市議会で提訴の承認を求める予定だ。多数の市議が提訴を支持している。

 工藤市長は原発事故直後の2011年4月、大間原発の無期限凍結を訴えて初当選。Jパワーが今春にも原子力規制委員会に安全審査を申請する見通しになったため、函館市は10人の弁護団で提訴に踏み切る。まとめ役の河合弘之弁護士は脱原発弁護団全国連絡会の共同代表で、全国の原発住民訴訟にかかわっている。

 函館市の提訴について、Jパワー大間現地本部総務・広報グループは「正式に提訴が決まっていない段階でコメントはない。函館市には(大間原発の)情報提供をしており、今後も続けていく」としている。

 菅義偉官房長官も1月22日の会見で「提訴前の段階での答えは差し控えたい。いずれにせよ、実際の稼働については世界で最も厳しい(規制)基準をつくったので、原子力規制委員会で安全と認められることが一番大事だ」と述べた。

 対岸の大間町で1970年代から原発誘致に取り組んできた浅見恒吉・元町長(76)は「函館市民の気持ちはわかるが、(原発は)大間町再生のためだから……。事業者や国が函館市民の理解を得る努力をするしかない」と話す。マグロの魚影が消え、昆布、ウニ、アワビなどの資源も先細りするなか、当時は「町が消える」という危機感が町内に漂っていたという。

 金沢満春町長も1月21日の会見で函館市の動きに触れ、「(建設)推進の立場は変わらない」と述べた。

     ◇

 大間原発 津軽海峡に面し、出力は約138万キロワット。使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜた燃料(MOX燃料)を100%使う世界初の「フルMOX原発」として2008年5月に着工。東日本大震災で建設工事が中断したが、12年10月に再開した。

 【大間原発をめぐる函館市の動き】

2008年5月 Jパワーが大間原発着工

2010年7月 函館の市民団体が建設差し止め提訴

2011年3月 東日本大震災。建設工事が中断

2011年4月 工藤寿樹氏が函館市長に初当選

2011年10月 工藤市長が法的手段を示唆

2012年9月 函館市議会が無期限凍結を求める決議

2012年10月 Jパワーが建設工事を再開

2012年12月 函館市が訴訟準備費を補正予算に計上







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