2014年12月30日

「クレムリン・メソッド」 ~見られることばかりで、見ることを忘れてしまった私たちへ、「支配者と同じ目を持て」!~



 国際関係アナリストの北野幸伯(よしのり)さんの新刊が出たので読んでみた。




 北野幸伯さんは、ロシア経済ジャーナルという人気のメルマガを発行している方。

 私この方の文章が大好きで、殆どの著作を拝読している。

 でもなんというかな、北野さん流に言えば、

 「作家にもライフサイクルがある」。この作家さんも「成熟期」を終えて、

 すでに、「衰退期」に入ってしまった、という感が否めない。

 本のタイトルが変わっただけで、内容がほとんど同じなんだなぁ。

 


現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終焉を意味する。



 経済危機は私たちの生活を直撃する。貴方と家族(もしくは企業)が

 それを乗り越えるためには、世界の「大局を知らなければならない」。

 「物事の本質を見られるようにならなければならない」。
 
 「世の中の事象は、支配者の戦略により仕組まれている」。

 だから、「そのことを賢く見抜けるようにならなければならない」。


 でなければ、あなたは生き残れない。


 北野さんは何度も繰り返して、このことを訴えている。

 うん、実は、正直読み飽きたんだな。


 だが、唯一違うこととして、意外に感じたのは、今回の作品で、

 (北野本を読んで、「世界の支配者と同じ目で」、世界を正しく見られるようになることの)

 必要性をこう説明していることだ。



太陽は東から昇るとか、客観的な現実は別として、主観的な「現実」は、自分の「心のなか」で起こったことが「実体化」されて生まれるものです。

 しかし、実をいうと、普通の人の「心」は、「支配者」によって密かに、思い通りにコントロールされている。

 そのために、自分でも知らないうちにあなたの心は操られ、次にあなたのなかでそれがさも「当然の事実」のように「実体化」され、「しかたのないこと」「受け入れざるをえない事実」と感じるようになる。

 だからたとえば生活がじわりじわりと苦しくなっていくことも我慢せざるをえなくなる。




 意外だ。こんなスピリチュアルな言い方をする人だとは思わなかった。

 北野さんを一言で紹介しようとするならば、

 「陰謀説」を理論的に証明した人。

 であって、「陰謀説」は「トンデモ」でもなんでもなくて、国と国の間で、

 この私達が生きる世界の中で、

 当たり前に繰り広げられる戦略の一つであるということを、

 言葉で実証してくれた人だ。北野さんは必ず、事実と証拠に基づいて、

 世界情勢の意味を説明してくれていた、はず。

 (それとも、「現実」は、自分の「心のなか」で起こったことが「実体化」されて生まれる

 というのは、スピリチュアルでもなんでもなくて事実だったかしら??)


 北野さんが今まで著書の中で私たちに教えてくれた衝撃的な世界の実態は、

 この世界でよしとされている「こうあるべきスマートな私たち」の思考とは

 まるで違うものだった。

 他人からどう見られるかばかりを気にして、私たちはあるべき姿以外の疑問は持たなくなり、

 あるべき姿以外の思想は考えなくなり、

 この世界で本当に起こっていることがまるで見えなくなってしまった。

 


 だから、北野さんの本当の貢献は、

 私たちの言葉を取り戻してくれたことなんだな。

 「こうあるべき」スマートなステレオタイプをぶっ壊して、

 私たちの本当の思考を、私たちが自分で考えるすべを、奪還してくれたこと。



 
 うん、そんな北野さんが、スピリチュアル、いや、ちょっといつもと違う、

 宇宙的なことを言っているような気がしたものだから驚いた。


 私たちの考えていることが実体化されて世界ができる。

 しかし、考えていることはコントロールされている。

 だから、正しく思考するようになれば、実体化された世界がガラリと変わる。




しかし、この話は、みなさん自身が「自分」という船の舵をとる「船長」になり、同乗している家族や仲間とともに安全な旅、つまり、人生をつづけていくために絶対必要な知識なのです。







 読了後、思ったのは、もしも私が正しく物事を見られる目を持っていたとして、

 支配者と同じ目で物事を見られるとして、

 そのことを誰かに教えようとするだろうか、ということだ。

 (波風立てたくないから、もしくは自分一人が得をしたいから)

 自分一人で知っていて、誰にも話さないかも知れない。

 少なくとも、教えてあげる義務はない。

 みんな知らなくて馬鹿ね・・ くらいのことは心のなか、で、思ってしまいそうである。

 
 だが、こうやって、寝ないで書いて、本にして、

 懸命に世に知らしめようとする作家というのは、

 やはりすごいものだなぁ。

 すべては、私たちへの愛から来ているんだろう。

 愛だよ、愛。(古いけど・・・)


 今夜は北野氏の愛にすがって、いい気持ちで眠るとしよう。

 面白かったので、もしも 生き残りたい方がいたら、オススメだ!