2008年8月31日

築地見参

 
 
 
 「そうだ 京都、行こう」というキャッチコピーがあるが、あんな感じで思いついた。「そうだ 夜の築地を撮りに行こう」
 築地と言えば朝である。そこをあえて夜撮ったら面白いじゃないだろうか。
 まぁ、誰でも考えそうなことではあるが、久しぶりに夜景が撮りたかった、そして築地へ行きたかった、その両方の想いが合体して冒頭のマイキャッチコピーとなった。
 
 

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 堂本剛主演の「ホームドラマ!」と言うドラマにタイのアユタヤが出てくる。その景色に一目惚れしてバンコクへ飛んだ。築地本願寺の写真を見たとき、あのときのアユタヤの仏塔を思い出した。そう似ているわけではない。石造りのインド様式の建物が神秘的で、現代の景色に溶け込む様がどこか異様で、あの時心惹かれた想いを髣髴させるのだった。
 築地市場駅で降りて、まず本願寺へ向う。築地場外市場のシャッターが閉まりかけていて、人々が店じまいや翌日の準備作業や何かで忙しそうだ。そのどこかけだるい感じの慌しさがいい雰囲気で、思わずシャッターを切りたくなるが、まだカメラはリュックの中で眠っている。本願寺の参拝時間に間に合うよう新大橋通りの交差点を駆けて行く。
 
 
 

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 参拝時間を過ぎていたが門は開いているようだ。まるで修道院のような鉄柵の門だった。参拝帰りの人々とすれ違う。階段を上って本堂へ飛び込むと、法話の最中か大勢の人々が椅子に座り、熱心に、正面にいるお坊さんのお話を聞いていた。中には後ろのほうの椅子で目立たぬように寝ている人もいる。(明らかに寝に来たかのような熟睡ぶりだった)ちょっと拍子抜けしながら、椅子の後ろ、本堂の入口を入ってすぐのところに置いてあった賽銭箱にお賽銭を入れて、説教をするお坊さんの方に向かって拝む。本堂をうろうろ一周。思わず座り心地の良さそうな椅子に腰掛けて一眠りしていきたくなるところをぐっと堪えて、寺の内部をうろうろしてみる。
 建物は昭和9年に東京帝大の伊東忠太教授により設計され、神社仏閣の建築の老舗松井組(現松井建設)によって施工されたものだそうだ。宗教建築物としても名高いだけになかなかの見応えがあった。左手の階段を下りていくと、参拝客用の休憩室がある。ほほぅ~めずらしいなぁ、と思いながら中に入ると、なぜかどうみても観光客には見えない数人の人々がこれまたのんびり寛いでいて、中にはコンビニ弁当を広げている人までいる。どうやら地元の人々にとても愛されているお寺らしい。休憩室の横には喫煙所まである。参拝時間はとうに過ぎているが、私も便乗して寛がせていただく。彫像の像を見ながら一服すること暫し。おばちゃんとおにいちゃんが入れ替わりやってきて、そのたび無言で並んで椅子に座っている。
 
 

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 外に出て、外観を撮り始める。右から左から正面からカラーにしたりモノクロにしたりホワイトバランスを変えてみたりする。どうもピンと来ない。
 イマイチ完璧な絵にならない。腕のせいももちろんだが、垂れ幕がやばい。「心の安らぎのために」「本堂へお参りください」と左右の柱に大きな白い垂れ幕がかかっていて、名高い建築物も台無しなほどの宗教臭さを匂わせている。建築物は芸術である前に「お寺」であった。「浄土真宗本願寺派本願寺築地別院」と言うのが正式名称だそうだ。本来の姿(在り方)がこんなにも美観を損なわせるものだとは意外だった。自分は本来の自分のあり方にこだわらず多少ぶっ飛んでいても夢(妄想とも言う)を持って生きよう、などと教訓めいたことを思う。
 場外市場に戻って散策。シャッターを降ろした閑散とした市場をパシャパシャ撮り、夜が来るのを待つ。ついでに食事をしよう。
 
 
 
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 ほとんどの店は午後の2時を過ぎるとオーダーストップでそのあとは閉店の支度を始める。夕方過ぎても開いている店は観光客目当てのすし屋のチェーン店がほとんどだ。アテもせずに一軒の店に入る。どうせだから海鮮丼を注文してみると、これがまた美味い。さすが築地だ、アテにしなかったことを反省させられた。特にうなったのはシャリの温度だった。人肌に温かい。ランチタイムはとうに過ぎているし、夜の客で忙しくなる時間帯にはまだ早い。(客は私のほかに一組しかいなかった)なのに一番人がいない時間帯にまでこの温度を常に保っているのは、さすがプロだなぁ、と感心する。それとイクラがあんなに美味しいものだとは意外だった。今さらイクラと言う感じだし、北海道で食べた時でさえそう美味いとは感じたことはなかった。
 
 

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 満腹になって店を後にするともう夜である。ライトアップされ、表情を変えた築地本願寺を撮る。一時止んだ雨がまた降り出してきた。傘をさしながら晴海通りを行く。勝鬨橋を撮りたかった。
 濡れたアスファルトに車のライトと街灯が映えて美しい。思わず撮る。傘をさしながら撮るのも慣れてきた。以前は雨が降り出すと大急ぎでレンズをかばい、カメラをリュックに収めていたが、今は多少濡れても大丈夫だろう程度に構えている。扱いが粗忽になったと言うよりは信頼感の現われのようなものかもしれない。
 勝鬨橋を過ぎるともう戻るのは億劫だった。このまま勝どき駅に向いたかったが、歩いても歩いても駅らしき雰囲気(人々の雑踏や商店や都営地下鉄の看板等)が見えない。雨の中隅田川の川べりで若者が花火をしている。どんどん降りは激しくなり、小学校の前で暫し雨宿りをする。なかなかやむ気配はない。私は来た道を戻り始めた。首に巻いたストールの裾でレンズをくるみ、背を丸め、みぞおちにカメラを押し付けるようにして、赤子のように抱え持つ。前かがみになって、傘を持つ私は築地の市場に向って消えていく。
 
 
 
 
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2008年8月24日

江戸城跡地散策

 
 
 
 最近下町にちょくちょく出没しては、我が物顔に闊歩している私である。
 と言うわけで、江戸城跡地(皇居)へ挨拶に行ってきた。膨大な皇居敷地のどこに挨拶回りをすればいいものか、ガイドマップ等資料を検討して、本丸の天守閣跡がメインかな、と見当をつける。
 
 

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大手門到着。

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白鳥さん、こんにちは!!!

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いざ大手門から入ります。

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同人番所を無事通過、

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百人番所も難なくクリア!

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白鳥濠沿い、続く石垣を左にどんどん歩いて、

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汐見坂を上がります。

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来たよ~~~~~!!!天守閣跡です!

 
 
 
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左・方位を示す石があります。右・まず昇るとすぐにこんな景色、武道館が北側正面に。
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左・西にぐるっと回る。右・西南に桃華楽堂が見えます。
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左・南側には東京、有楽町の街が見渡せます。右・降りていくと、悪名高き?大奥跡。その奥に本丸大芝生が続きます。
 
 
こんにちは~~~~~!!!
 
お世話になってます。
 
 
 最近楽しく江戸散策させていただいております。わたくし○○と申します。と、丁重に自己紹介。宜しくお願いいたします。と、一礼して終了。
 あとは楽しく皇居東御苑を散策させていただいた。
 兎に角敷地が広く、都会のど真ん中(まさにど真ん中一等地)にこれだけの広大なスペースが存在し、その貴重なシロモノを国民庶民に無料開放していると言うこと自体に驚かされる。東御苑だけでもけっこうあるのに、これで吹山御苑や北の丸公園を入れると相当なものだ。
 トイレや休憩所が随所にあるのも良かった。芝生に寝転んだりして、みなのんびりしているので、雰囲気だけでも癒される。ただ警官の数はけっこう多かったと思う。門前でもないのに、至るとところで出くわす。(自転車に乗って周っていたりする)天守台に一人になったとき、チェックするように昇ってきて、写真を撮る私を見ていたときは時は驚いた。
 あと食事が出来る施設があればもっといいが、各所にある売店で飲み物を買って、見晴らしのいいベンチで喉を潤すだけでも満足できる。この売店のお土産がけっこうお勧め。もっと所持金を用意してくれば良かったと後悔するほど可愛い小物入れやお財布、レトロな日本絵のはがきに紋章入りの朱肉や風呂敷などが揃っていた。
 平日は事前に予約すれば皇居の奥も一般参観できるそうなので、ぜひお勧めしたい。
 
 
 
 天気予報では午後から雨だったが、運良くそう酷い雨にも降られず、無事巡れたので、一応目標達成と言うことで満足の行く週末だった。これで心置きなく、また来週から下町散策へ出かけようと思う。狙うは築地本願寺。晴れるといいな。
 
 
 
 
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2008年8月21日

ソフトボール女子、金メダルおめでとう!

 
 
 
 「心が折れそう」
 と言う、フレーズを聴いた。なんだか久しぶりに耳にしたような気がする。
 今日の気分にぴったりだったので、少しどきりとした。久しぶりの懐かしい言葉が、心に響いて、隅のほうで引っかかったままだ。
 
 今日は最悪の出来の一日だった。
 みんなに迷惑をかけたと思う。昨日見た夢を思い出すのだった。
 私は廃墟のような閑散とした家屋にいて、平屋の広いその家の中でたくさんの荷を拾うのだった。写真を撮るたびに、古い建築様式を絵に収めようと夢中でシャッターを切り、歩くたびに、朽ちた木の下駄箱や、中庭に続く廊下や縁側や、部屋の中でバックを見つけ、その中には私のために誰かがこしらえた私のための荷が入っているのだった。
 私はそれを見て歓喜し、作り手の労力を想像して感謝の気持ちに満たされて、重い荷をいくつもいくつも担いで歩き始める。気が付くとレンズキャップがないのだった。
 母が忠告する。「重いから置いていきなさい」
 首を振って、また写真を撮り、時々カメラキャップを探している。合宿所のように人々が集まってきて、いつの間にかずいぶん騒がしかった。
 気がつくと、荷がないのだった。
 いくつかの荷を持っていない。私は知らず知らずに落としたのか、どこかへ置いてきたようだ。
 中庭で騒ぎが始まって、母がまた忠告する。「巻き込まれるから逃げなさい」
 それでも私は荷を探しに走っていくのだ。私のための荷だった。あれは私のために誰かが一生懸命作ってくれたのだ。中庭では乱闘。廊下から、外野の頭の隙間からそっとうかがい見て、縁側の下に私の荷が置いてあった。私は身をかがめ、人々に紛れ、荷を取って、踵を返す。玄関へ、母の待つ場所へ急ぐのだった。レンズキャップが通り過ぎた足元に落ちていた。目の端でそれを見つけて、転びそうになりながら止まり、拾う。私のための荷は重かった。
 古い家屋の玄関から飛び出して、合流した母はそっけなかった。
 私は先に行ってるから。あんたはその荷を背負って、ゆっくり歩きなさい。と言ったふうに、(言葉にはしなかった)寂しそうな顔で私を見つめて、先に家に帰っていった。
 数えると6個ほどの大きなボストンバック、旅行鞄のようなその重い荷を両肩にかけ、両手に持って、私は一歩ずつ歩いていくのだ。もう母は行ってしまった、そうだ、のんびり歩いてもいいではないか、と思いながら。橋を渡ると、河の水かさが増し、流れを速くし、溢れ出しそうになっていた。雨は降っていなかった。
 
 朝ふと思ったのは、夢のように、私のための荷を持って歩いて行くのもいいな、と言うことだった。
 誰かのために荷を持ってあげて歩いていくのもいいが、私のために誰かがこしらえてくれた荷を、たとえ自ら持ちきれないほどでも持って、歩いていくのもいいだろうと。
 そんなことを思った矢先に、私の荷を私は抱えきれずに放棄してしまった。(実際はまるで放棄したいかのような弱音や愚痴や文句を言った)
 周りの人に迷惑をかけた。
 帰宅してから、そのことで頭が囚われて、意味不明な呟きを漏らしてしまう。自分がイヤになってきた。と、そのとき。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 見たんですよね~ これ。
 
 
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 ソフトボール女子、金メダルの試合です。
 
 何だか泣けました。
 明日からまた頑張りますか。
 
 
 
 
 
 

2008年8月17日

ビバ☆下町! ~東京六花街「向島」と隅田川七福神を巡る私の巻~

 
 
 
 恒例の下町プチツアーに行って来ました。今日のターゲットは向島、京島、&隅田川(向島)七福神です。
 スタート地点は東武伊勢崎線の鐘ヶ淵駅、降り立つと東京23区(墨田区です)とは思えない閑散とした雰囲気。まるで先日行った江ノ電の停車駅のようなローカルさが漂ってます。駅ビルもなく、駅前商店街と言うよりはまばらに商店が点在するのみ。今回は七福神の案内図をゲットできなかったので、自前の地図を見ながらの散策です。たいていは駅構内や改札あたりに降り立つ駅口が何丁目だとかどんな建物があるとか、そういう情報が示されているのですが、ここはまったく見当たりませんでした。首を傾げながら改札を抜けて、極端に簡素化された駅前の絵を(地図ではなくあれは絵)やっと見つけて、地図と照らし合わせ、なんとかこうにか見当をつけてボチボチ歩きはじめました。
 
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    左・東武伊勢崎線鐘ヶ淵駅、ローカルな雰囲気に驚かされました。右・駐車場脇の細い路地。
 
 
 線路沿いの道を歩いていくと、突然駐車場に入り込み、行く手を阻まれます。おかしいな、地図通りに歩いているはずなのに・・・ 仕方なく駐車場の脇にあった細い路地をすり抜けて、地図の番地を頼りに歩きはじめます。私道のような細い道に、古い長屋のような家々が連なって続いています。さすが墨田区、特に下町の懐かしスポットでも何でもないのに、町自体のすべてが古いです。私の好きな下町の風情をぷんぷん匂わしているではありませんか。
 きょろきょろしながら歩くこと数分、家の門や電柱にかかれた番地をたよりに最初の目的地、多聞寺にたどり着きました。ここは隅田川七福神の毘沙門天が祀られています。お参りをし、写真を撮って、かつての隅田川沿いの道、墨田堤通りを下っていきます。向島は神楽坂、浅草と並ぶ東京六花街のひとつです。隅田川にかかる言門橋から向島五丁目にかけては料亭が点在し、また、墨田堤通りから曳船駅の途中にある鳩の街商店街は戦後遊郭があったことで知られ、懐かしい風景や独特の風情を味わうことが出来るそうです。多門寺から、セイコー時計資料館、白髭神社(七福神の寿老神)、地蔵坂から向島百花園(七福神の福禄寿)とまわり、鳩の街商店街を目指します。戦後の遊郭、そして吉行淳之介の「原色の街」の舞台にもなった通りです。
 
 
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上段・左から多門寺、墨田の古い町並み、白髭神社。中段・セイコー時計資料館、向島百花園。下段・子育地蔵、鳩の街商店街。
 
 
 
  鳩の街商店街近辺はとりわけ古い町並みが趣を称えていました。遊郭、と言うその名残りはほとんどもうないようにも思いましたが、もともとの戦後の遊郭がどんな姿だったか良くわかっていないせいもあるのでしょう、資料によると「柱や壁に模造色タイルが施された建物から当時の面影を僅かに伝え取ることができる」とありました。
  商店街を抜け、点在する料亭と下町らしい古い町並みを眺めながら、散策を続けます。この辺の景色は私の大好物でした。いちいち感嘆し、立ち止まっては写真を撮り、下町の風情を思う存分楽しませていただきました。そうして最後に隅田川七福神の締めです。長命寺(弁財天)と弘福寺(布袋尊)と三囲神社(大国神と恵比寿神)の三つの寺と神社を巡ります。この三社はあまり離れていなく、同じ通り沿いに建っているので、難なく巡ることができました。
 三囲神社を見終わると、天気予報で聞いていた雨が降り出しました。タイムアウトです。しばらく待ちましたがますます雨脚が激しくなるばかりなので、今日はこれで終わりとします。京島は次回のお楽しみにして、私は駅に向って駆け出しました。少し残念ですが、それでも大満足の一日でした。
 ところで思ったのですが、下町下町と言っている私は、そのお家元の江戸城跡(皇居)をじっくり見たことがありません。
 地図を見ていると下町のすべての道は千代田に通じています。だとしたら、ふと、
「それってどうなの?」
 と言う気分になってくるのでした。
 
 
 
 
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上段・左から鳩の街商店街、鳩(オブジェ)が飛んでいます。墨田の古い町並み。下段・七福神巡りの団体と遭遇。角を曲がっていきました。
 
 
 いや、それよりそもそも。
 皇居見たことないって、日本人としてもどうなの?!
 じっと地図を見つめます。帰りの電車の中、来週のプチ週末旅行の予習をする私は地図を持つ手がぷるぷる震えてくるのでした。
 武道館に行った時お堀の周りを見たことしかない。ブームに乗ってか、元来好きだとは言ってますが、調子に乗って下町好きを気取りながらそれってちょっとないんじゃない?!
 反省して、深くうな垂れます。
 
 と言うことで、来週は急遽「皇居ツアー」を敢行しようと思います。
 余裕があったら浅草に寄りたいなぁ~本郷や湯島も見たいなぁ~築地も行きたいなぁ~
 来週末と下町に思いを馳せる私でした。
 
 
 
 
 
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から長命寺(弁財天)、綺麗です。弘福寺(布袋尊)、古くて立派なお寺でした。三囲神社(大國神・恵比寿神)祀られてる祠も見応え有。